公益社団法人 秋田犬保存会 徳島県支部
阿波国光宮犬舎
あわこくひかりのみや
  
秋田犬とは
先祖は秋田地方のマタギ犬で大きくて強かったため他犬種の血液導入が行われ闘犬として育てられた時代もありましたが、戦後日本に残ったよい血液を元に愛好家の研究と努力で天然記念物となり、日本を代表する秋田犬が誕生しました。
 
過去に、海外で秋田犬がブームになりました。ヘレンケラーが米国に連れて帰ったのが始まりで、その後占領軍により多くの秋田犬が持ち帰られ現在のアメリカンアキタの元になりました。
また戦時中は秋田犬にとって受難の時でした。食糧難の時代、大型犬は軍用犬となるジャーマンシェパード以外の大型犬は捕獲されたこともありました。しかし、熱心な愛好家により山里に純血の秋田犬を隠して絶滅の危機から守り天然記念物に指定され現在に至っております。
 
 
秋田犬の魅力
日本犬の最大の特徴といわれる立ち耳、巻き尾で日本犬の中でもっとも大型で堂々としています。主人に忠実で無駄吠えも少なく他の日本犬よりしつけは簡単です。
毛色は美しく、赤毛、虎毛、白毛の三種類があり、それぞれ濃淡があり赤毛は紅葉のごとく華麗で、虎毛は墨絵のごとく渋さに溢れ、白毛は古来より神の色とされ、神秘的で潔白さ十分。どの毛色も魅力に溢れています。
 
 
最近の秋田犬事情
秋津州号
秋津州号
 
当犬舎は天然記念物秋田犬を中心に日本犬全般を取り扱いしております。
昨今、秋田犬に関しては、秋田犬本来の魅力が諸外国の愛犬家に認められ、日本各地で開催されている展覧会に多くの外国人ファンシャーが見学に訪れています。
熱心にメモをとったりお気に入りの秋田犬の写真を撮ったりと諸外国での人気の高さがうかがえます。国内でも和犬、特に秋田犬の良さが見直され、徐々に人気の輪が広がりつつあります。
 
 
秋田犬 忠犬
秋田犬、忠犬「ハチ公」・・・犬と飼い主との愛情物語で、実話である。
この話は日本犬を愛する方ならよく御存じのことと思います。

秋田犬、忠犬「ハチ公」
 
昭和9年4月21日、渋谷駅前の広場にハチの銅像が置かれ盛大に除幕式が行われた。秋田県大館生まれの「ハチ」は 雪の日も、嵐の日も、今は亡き主人の上野英三郎博士を渋谷駅で待ち続け、酔っ払いや、ガキ大将に石を投げつけられたり、棒で殴られたり・・・それでも決して牙をむくことは無くひたすら終電まで待ち続けた。博士が降りてこないのがわかると、うなだれた姿で歩いて家に帰り、次の日決まって同じ時間に渋谷駅に通う・・帰らない主人を迎えに・・・10年の間。

この事がある雑誌に掲載され、この記事を読んだ人達は、渋谷駅に通うハチに感動を受け涙した。また、この事は新聞の記事となり日本全国の人にハチの事が知られ、忠犬と言う言葉が付けられ忠犬「ハチ公」と呼ばれるようになった、ハチ9歳の頃。
渋谷駅は、ハチを一目見ようとする人たちで賑わった。人々はこう言った「これが日本犬だ、これが秋田犬だ」 と。 人々はハチに強烈に心を打たれた。 この事を後世に残すためにハチの銅像を拵えようと多くの寄付が集まり無事銅像は完成し、除幕式にはハチが銅像の横に座ると歓声と拍手が渦巻いた。渋谷はハチと銅像を見に来る人で賑わったがハチは相変わらず決まった時間に渋谷駅で主人を待った。 ハチも11歳なった体力も無くなり歩くのも辛そうである、夜に屋台が並び始めると何軒かの屋台の近くにゆっくりと歩いてきた、焼き鳥屋の前で座った、11歳の身には3月の夜の寒さが特別にこたえた。
焼き鳥屋の主人は焼き鳥を串から外し、ハチの口元に差し出したハチはゆっくり食べた、いつも改札口の前にいるのに・・・焼き鳥屋の女将さんも不思議に思った。

暫くしてハチは焼き鳥屋の主人と女将さんの顔をゆっくりと見上げ辛そうに大きな体を揺らしながら、どこかに消えた。
その夜、ハチは家に帰ることは無かった。次の日3月8日の朝、稲荷橋にある酒屋の女将さんが道端で寝ているハチを見つけ「ハチ!風邪ひくよ!」と体を揺すったがすでに体は冷たくなりかけていたハチは永遠の眠りについた、生まれ故郷の大館の事や永遠の主人である上野博士や渋谷駅の駅員さんや、屋台のおじさん達・・・ハチが好きだった皆の顔や声を思い浮かべながら・・・。

秋田犬、忠犬「ハチ公」
 
忠犬ハチ公死後80年となる平成27年3月8日、東大農学部キャンパス内にハチ公像が完成する。飼い主の故上野英三郎博士に飛びつく姿が銅像で蘇り、これからは、いつもいつも一緒の博士とハチ。主人にやっと逢うことができたハチの顔は幸せに溢れていた。
 
秋田犬、忠犬「ハチ公」
 
この物語は日本人の心を涙と感動で溢れさせ、1987年8月1日「ハチ公物語」として映画が公開され秋田犬人気に拍車をかけた。また、日本のみならず映画の本場ハリウッドにおいて名優リチャード・ギア主演でリメイクされアメリカならず全世界にハチ公の名が轟いた。 現在、秋田犬が世界的高人気犬種になりつつあるのも日本には忠犬ハチ公がいた事を忘れてはならない。

 
秋田犬への誤解
「秋田犬が人を咬んだ」「秋田犬は人を咬む」、最近は新聞、ニュース等でもあまり見かけませんが昔は時々聞かれました。秋田犬を愛する愛犬家の方達が、かみ癖のある血統、血液の排除や淘汰を行い、最近の秋田犬はとても温和しく人を咬んだ話はあまり耳にしなくなりました。
しかしながら、この問題は秋田犬に限ったことではありません。他の和犬、洋犬、大型犬、小型犬などすべての犬に当てはまることですが、犬に対しての飼い主の愛情と正しいしつけ、そして正しい管理ができているかどうか、飼い主の責任は重大でしょう。決して秋田犬だけが人を咬むことはありません。
むしろ、いとおしいくらいの愛情深い日本犬であることは間違いありません。